産山村の教育 ~We have a dream~

産山村では平成19年度より構造改革特区(小中一貫教育特区)の認定を受け、平成21年度からは「教育課程特例校」の指定を受けて、小中一貫教育を核とした教育力の向上を地域とともに行っています。産山村唯一の学校である「産山学園」は、平成30年4月より義務教育学校として新たな一歩を踏み出し、さらなる一貫教育の充実を目指しながら教育力の向上を追求しています。

「We have a dream」は産山学園の校歌の一部であり、校訓でもあります。 山あいの小さな村に暮らす子どもたち、そして、私たちを含めた子どもに携わる村の人たちすべてが夢を持ち、多いに夢を語り、そして夢に向かって進もうという意味を込めたものです。
 

産山学園の全景

産山学園

産山保育園の全景

うぶやま保育園
 

村独自の産山ならではの教育 ~ローカルオプティマム~

産山村では、保育園から始まる英会話・英語教育(ヒゴタイイングリッシュ)や永年続く国際交流、そして地元の価値を学ぶ「うぶやま学」、各種検定に挑戦する「チャレンジ学習」など、産山村に合った、産山村の学校にとって最もふさわしい教育(ローカルオプティマム)が展開されています。
 

15年間の子供の育ちをつなぐ/小中一貫教育

産山学園は、ひとつの学校として9年間を連続して教育を行う義務教育学校に移行したことにより、これまで本村が取り組んできた小中一貫教育をより充実・発展させることができました。 義務教育学校では、校長の1人配置、一つの教職員組織になることにより指導系統が一本化され、共通指導等がより徹底されています。複数の教師が協働で授業を担当する複数指導体制や、1年生から教科担任制も充実してきており、学力向上に資しています。

さらに、PTA組織も一つになって、役員等を選出しやすくなるとともに行事等の一本化が図られ、これまで以上にPTA活動が活性化し保護者同士のつながりが強まっています。

学園では9カ年の義務教育の区切り(6・3制)を「4・3・2制」とし、「小4ビハインド」「中1ギャップ」の解消を図っていますが、併せて、0歳からの育ちをつなぐ一貫教育を目指すために、平成25年度から「産山保育園」を教育委員会が主管し、保育園と学校の段差を低くしスムーズに接続できるようにして「小1プロブレム」を解消しながら教育効果の向上を図っています。
 

産山村ならではの特徴あるプログラム

視点を外に開く/ヒゴタイ国際交流

「ヒゴタイ国際交流」は、1988年より始まったタイ王国国立カセサート大学附属中学校との交流事業です。花のヒゴタイと「肥後の国(熊本)とタイ王国」を掛けた名前で、「ヒゴタイ交流」の愛称で広く村民に親しまれています。 産山村にいても、視野は世界に開かれ、コミュニケーション能力の高い子どもたちを育てています。


交流生は毎年それぞれ4名で、互いに長期休業を利用して3週間ホームステイします。この間に交流生は授業を受けたり、行事に参加したりします。


【ヒゴタイ国際交流での子供たち】

  • 交流期間中本校生徒と共に各教科2~3時間の授業を受ける。
  • 放課後の時間に「文化交流プログラム」を設定し、日本文化や部活動等の体験活動を行う。
  • 行事等では、記念植樹・高校での文化体験・研修旅行・料理教室・伝統芸能の体験・小学校訪問・文化祭等と盛りだくさんのプログラム。
  • 交流生は学校においては本校生徒と共に、家庭生活においてはホストファミリーと共に、日本の生活習慣・文化を学習する。休日はホストファミリーの方で計画され、観光地に行ったりショッピングを楽しんだりする。
     
民族衣装を着たヒゴタイ国際交流生たちと産山学園の生徒

民族服を着た交流生と交流団による
タイの伝統ダンス
 

ヒゴタイ交流生と小学生たちとの別れを惜しむ様子

タイからの交流生たちと
産山学園の生徒たちとの別れの様子

実践的な英語を学ぶ/ヒゴタイイングリッシュ( 英会話科・英語科)

ヒゴタイイングリッシュクラスで教える日本人教師とアメリカ人講師

コミュニケーションツールが英語であるヒゴタイ国際交流を背景に、平成19年度の小中一貫教育スタートともに村独自の英語教育プログラムである「ヒゴタイイングリッシュ」を創設しました。
1年生から9年生までの「英会話科」、3、4年生は「外国語活動」、そして5年生からは「英語科」として学習を行い、「読む」「聞く」「話す」「書く」の確かな習得を目指しています。 授業では、英語圏出身のネイティブのALT(英語指導助手)も教壇に立ち、生きた英語を学ぶことができます。
 

足下の宝に気づく/うぶやま学

「うぶやま学」とは、地元を知り、愛し、誇りを持ってもらうためのプログラムです。地域との連携や地域人材の参画を通して、体験活動を重視した学習を展開し、子どもたちの心を豊かにするとともに、わが村産山に誇を持ち、「ヒゴタイイングリッシュ」とともに、内にも視野を広げながら、将来の自己の生き方を考えていく学習プログラムです。
自らの足下をしっかりとみつめ、自分の生き方を考えるキャリア教育の実践としても位置付けられています。
 

子どもヘルパーが高齢者宅を訪問する様子

子どもヘルパー

田植え体験をする子供たち

農業体験

お茶摘み体験をする産山学園の児童たち

茶摘み体験
 

「うぶやま学」の集大成 ~村の未来を考える子ども議会~

「うぶやま学」の集大成として、9年生による「子ども議会」は、子どもたち自らが村の未来を考え、提案するユニークな機会です。 過去、子供たちの提案が天文台の開設につながったり、産山村のキャラクター「うぶちゃん」が生まれたり、玉来川源流の名称を本来の山鹿川に戻したりするなど「子ども議会」は非常に貴重な経験の場になっています。
 

こども議会で発言する子供たち

子ども議会の様子

中学生時に子ども議会で提案した生徒が成人式で天文台の完成を祝う写真

中学生時に子ども議会で提案した生徒が成人式で天文台の完成を祝う

検定に挑戦/チャレンジ学習

「チャレンジ学習」は、児童生徒が自分で目標を設定して主体的に学習を進めて、英語検定や漢字検定、数学検定をなどに挑戦する学習です。

複数の教員で指導にあたりますが、中には高学年が下の学年の子供たちに教える場面も見られます。受験費用は村からの支援があり、児童生徒全員が各検定を何回でもチャレンジする機会があります。自ら設定した目標達成に向けた検定へのチャレンジが認められ、英語検定「優秀団体賞」(平成27年)や「米国大使賞」 (平成29年)を受賞しています。
 

チャレンジ学習で勉強する子供たち

 

 

チャレンジ学習で検定を受ける子供たち

デジタル最先端/ICT教育の推進

産山学園では平成22年よりICT環境の整備に取り組み、全教室に電子黒板& プロジェクターを配備し、全児童にタブレットを配付しています。ICTを課題解決学習に効果的に取り入れること(情報の共有化)によって、児童生徒の学習意欲を高め、主体的に学習に取り組むことができるようにしています。

このようなICT活用の実績が認められ、平成28年には日本教育工学協会から、「学校情報化優良校」と「学校情報化推進地域」に認定されました。そのうち「学校情報化推進地域」は、平成28年当時、本村を含む「全国で5地域」しか認定されておらず、産山村は全国でも屈指の情報化が進んでいる地域・学校ということになります。

 

産山学園でプログラミングを学ぶ学生
ICT優良校の認定証
ICT先進地域の認定証

地域とともにある学校づくり

我ら学校応援隊/コミュニティ・スクール

平成22年に、地域の住民たちが中心となって「われら学校の応援隊」というコンセプトのもと、子供たちの様々な体験学習をサポートする学校支援地域本部事業(現地域学校協働本部事業)が立ち上げられ、コミュニティ・スクールと連動しながら「地域の子どもは地域で育てる」の具現化を図ってきました。地域人材を広げ隊(交流コミュニティ)、暮らし隊(体験コミュニティ)、伝え隊(文化・安全コミュニティ)、学び隊(学習支援コミュニティ)の4つのコミュニティに結集し、これと連動した学校運営協議会による五者連携の一貫教育を展開しています。
 

交流コミュニティ(広げ隊)

交流活動を通して、他地域や他国の文化や伝統を理解し心の交流を深め、国際社会の一員としての自覚と故郷「産山」や日本の文化伝統を深く学ぶ場とするための支援を行う。

★ヒゴタイ国際交流、海山交流、国際理解教室等の指導・サポート
 

海山交流の様子

海山交流

海山交流の様子

海山交流
 

体験コミュニティ(暮らし隊)

体験を通して、福祉や将来の進路に関心をもち、自分たちの暮らしや生き方を考えるための支援を行う。

★子どもヘルパー活動、福祉体験、農業体験、職場体験学習等の指導・サポート
 

高齢者施設の入居者とゲームをする子供たち

子どもヘルパー

稲刈り体験をする子供たち

農業体験
 

文化・安全コミュニティ(伝え隊)

産山村の伝統文化を守り伝えていく心を養い、産山村の地域安全を守る活動を通して、産山を愛する心を育てるための支援を行う。

★少年消防団隊、ヒゴタイ太鼓、浦安の舞、ソーラン節、登校安全等の指導・サポート
 

浦安の舞を踊る児童たち

浦安の舞

ヒゴタイ太鼓を打つ児童たち

ヒゴタイ太鼓

出初式での児童たちの様子

消防団出初式
 

学習支援コミュニティ(学び隊)

環境学習や食育や地域学習の支援を行ったり、読書に親しむ態度を育てたりする支援を行う。

★子ども議会、地域学習、読み聞かせ、親子活動等の指導・サポート
 

地域学習で水源を探検する子供たち

水源探検

子どもたちに絵本の読み聞かせをする学校応援隊の助成

読み聞かせ
 

「産山の教育」のさらなる進化を求めて

私たち産山の教育に関わる者には夢があります。それは「産山で教育を受けて良かった」「産山で教育を受けさせて良かった」と実感してもらう「産山に合った産山ならではの教育の創造」です。 もとより、私たちは「教育に地域格差があってはならない」と信じています。山あいの小さな農山村であっても、都会に引けをとらない質の高い学習機会を提供するとともに、国際交流や英語教育を通して、子供たちの視野を世界に広げ、グローバルな視点を持てる人材を育成することを目指しています。

同時に、自然に恵まれた産山村だからこそできる、五感を用いた体験学習もふんだんに取り入れ、優しく心豊かな子供たちに育って欲しいと願っています。「うぶやま学」を通して、代々受け続けられてきた循環型の里山の暮らしをみつめなおし、足元をしっかりと踏みしめて立って欲しい、そして将来の自分の生き方を考えるようになって欲しいとも願っています。「産山で教育を受けてよかったと実感できる教育の創造」という私たちのミッション遂行のために、産山村は様々な支援・補助を行っています。

出産祝い金の給付、保育料の完全無償、学園入学時と7年生進級時のランドセル・通学カバンの進呈、学校給食費の完全無償化、各種検定料の補助、産山学園出身の高校生への奨学金給付、その他教育環境の整備等、産山での子育てがしやすいように意を配しています。
 

産山村の教育方針・計画等


 

うぶやま保育園


 

産山村の教育・保育施設


 

産山学園の教育支援制度


 

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会
電話番号:0967-25-2214
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